図書ボランティアスキルアップ講座 「小林大輔の ほのぼの朗読」

11月22日(木)に 小林大輔さんによるスキルアップ講座「ほのぼの朗読」がありました。

まずは小林さんの小噺(?)から。
人前で長年お話しすることを生業としてきた方はさすがですね。
小林さんの思う「朗読」から、ご年配のご婦人の「フラダンス」まで(笑)前置きが面白い広がり方をして、参加者の気持ちを上手にほぐしてくださいました。
とても愉快なお人柄です。

そして「花さき山」の朗読が始まります。
十四小の図書室にはこの絵本の超特大サイズがありますので、この日はそちらのビッグ絵本を参加者が見ながら、小林さんは通常サイズの絵本の朗読に専念していました。
ビッグ絵本をめくる担当は、小平市社会教育委員 大杉和美さんが受け持ってくださいました。
山姥の語りで進むお話ですが、小林さんのいぶし銀の語り口・独特の言い回し・地方の方言など全てが絶妙に融合し、また滝平二郎さんの切りえの美しさとあいまって、素晴らしい朗読の世界を堪能できました。

次に、図書ボランティア Iさんによる 「さっちゃんのまほうのて」です。
片手に障害をもって生まれてきた女の子のお話です。
時間の関係で、切りのよい段落まで読んでいただきました。
本当に気持ちのこもった、素晴らしい朗読でした。
さっちゃんのいじらしさ純真さが胸を打ちます。
Iさんは相当に読み込まれたとのこと。さっちゃんや、さっちゃんのお母さんの気持ちが痛いほど伝わってきました。小林さんもとても驚かれていました。

そして次は 図書ボランティア Tさんによる 「あらしのよるに」です。
シリーズ化されて、知らない人はまずいないと思われるほど有名ですね。
嵐の晩、真っ暗な小屋に避難したヤギとオオカミ。
鼻かぜをひいてにおいもわからない状態で、しかも全然相手が見えないほどの暗闇で展開されるハラハラドキドキのやりとり(笑)
Tさんは、ヤギ役とオオカミ役を見事にこなし、さらにナレーションにあたる箇所もきちんとわけた声色で、とても臨場感あふれる朗読となりました。
小林さんもまたさらに感心なさっていました。

Iさん、Tさん、ありがとうございました。
時間が許せばお二人の朗読を最後まで聞きたかったなと思いました。
今度聞かせてくださいね。

最後は小林さんによる 「歯形」 です。
丘修三「ぼくのお姉さん」のなかの一話です。
ダウン症のお姉さんがいる「ぼく」の語りで進むお話ですが、「歯形」は養護学校に通う少年が軸となっています。
小林さんは昨今特に問題に思っている「いじめ」に関したテーマを取り上げたかったとのことです。
養護学校の生徒へのいじめに結果的には加担した「ぼく」の心理描写で浮き彫りにされる、「ぼく」の保身のための嘘。その嘘のためにさらに相手の心を傷つけていく様子。
そしてじわじわと自分に返ってくる嫌な思いの正体を「ぼく」が受け止めていけるのかどうか。
嫌な思いのその原因に気づいている「ぼく」に救いがあります。
小林さんの間のとり方が絶妙なので、噛み締めるようにお話を聞けました。

時間を少し過ぎてしまいましたので、ゆっくりと質疑応答の時間をとれなかったことが少々残念でした。

小林さんは練馬や高田馬場などで朗読教室を開いています。
その様子や、今回の十四小での様子もご自身のブログに載せてくださいました。

http://kobayashidaisuke.blog.fc2.com/

参加された皆さんに、楽しんでいただけたでしょうか。
やはり何事もまず「楽しむ」ところからだと思います。
読み聞かせも朗読も、読んでもらう楽しさ、快さを味わうことが大事かと思います。
今後も皆さんに楽しんでもらえ、スキルアップにつながる講座を提供する手伝いができれば嬉しいです。
また、この日は生涯学習推進課の安部さんと季高さんもお見えになり、帰り際には「とても面白かった。ありがとうございます」と言葉をかけていただきました。
何かとボランティアを物質・広報面で支えてくださり、さらに応援までいただきました。嬉しいですね。

当日お手伝いいただいた皆さん、ありがとうございました。
朝のお忙しいなかを迅速丁寧な働き、素晴らしかったです。
私も家庭において見習わなければと猛省している次第でございます(笑)