おすすめ本 (8)

お次は、3年生保護者の Hさんです。

光の帝国」 恩田陸
大人ファンタジーを書く大御所作家のひとり。
常野物語のシリーズものです。

生まれ持った特殊な能力ゆえの受難。
戦時中にそのちからに目をつけた軍。
賢く穏やかで自らのちからを静かに受け止める一族。
ひそやかに暮らす彼らの目指すところは?
柔らかな文体でつむがれる物語です。

西の魔女が死んだ」 梨木香歩
周りとなじめず、不登校になってしまった中学生のまい。
まいには、母が「魔女」と呼ぶおばあちゃんがいる。
おばあちゃんは英国人で母方の祖母。
まいはおばあちゃんと一緒に夏をすごす。
魔女の血筋をもつ祖母の、穏やかで丁「寧な暮らしぶりに
いつしかまいのささくれだった心は解きほぐされていく。

映画化されたのでご存知の方もたくさんいらっしゃいますね。
私(菅野)は映画は見てませんが、スチール写真などを見る限り
この「西の魔女」(おばあちゃん)はまさにイメージどおりです!
ちなみにこのおばあちゃん役で日本映画デビューを果たした
サチ・パーカーは、あの大女優シャーリー・マクレーン
母親にもち、サチは幼少期は日本で暮らしていたそうです。

自然と共存するおばあちゃんの丁寧な暮らしは(まいにとっては修行)
実に穏やかで時間の流れがゆったりしています。
そんな中でのまいの癒しと再生の物語。

最後におばあちゃんはまいとの約束も守ります。
それは深く深く心に染み入る「魔女」ならではのやり方で。